お知らせ
「戦わずして勝つ」ためのビジネス法 ~ 顧問弁護士の役割
先日、ある経営者団体で、「『戦わずして勝つ』ためのビジネス法」というタイトルでセミナーを実施させていただきました。
概要は、以下の内容です。
孫子の言葉に「百戦百勝は善の善なるものにあらざるなり」というものがあります。
たとえ、勝つとしても、戦い続けてはならないということです。
戦争がいかに消耗が大きいことか、現在のウクライナ情勢からもよくわかることです。
ビジネスについてもその通りあてはまりますし、また、私生活においても、多くの人が望む幸せは「戦い続けること」からは得にくいものです。
1 「予防法学」という意味
歯医者さんを想定すればよくわかります。
虫歯になってから治療するより、歯磨きや歯石取りなどメンテナンスをすることによって、より健康をキープできますし、コストも低くてすみます。
「予防医学」という言葉がありますが、私の話は「予防法学」のススメです。
訴訟沙汰などトラブルにならないように、
契約、取引の在り方を、しっかりマネジメントすること
労働問題などは法令による基本ルールを知り、遵守する体制を築くこと
トラブルの芽が小さいうちに専門家の助けを得ること
が非常に重要です。
「顧問弁護士」(神戸むらかみ法律事務所の顧問業務 詳しい説明ページ)の役割の大きな部分はここにあります。
顧問弁護士がいなければ、「わざわざ弁護士を探して相談するには、ちょっとおおげさだな」「そもそも弁護士の話なのだろうか?」と迷ってしまうような、トラブルの「小さな芽」。
そういう段階でも、「顧問弁護士」がおれば、躊躇なく、メールや電話で連絡が出来ます。今般、当事務所では、業務用のLINEアカウントの利用も始めましたので、LINEでお尋ね頂くことも可能です。
火災を想定していただければよく分かると思いますが、トラブルも「初期消火」さえできれば鎮火する、しかし、それに失敗すると鎮火が困難になる、というケースも多々あります。
2 「安定経営」という意味
訴訟などの「戦い」が多くなると、当然、エネルギーはそれに割かれますし、収支も不安定なものになります。
そもそも「戦い」になりやすい状態、つまり、取引上のトラブル等が頻発する、またはその火種がたくさんある状態というのは決して良くありません。
売掛金の回収が遅れたり、顧客からクレームを受けたり…
また社内でも、労務トラブル寸前の状態は雰囲気としても悪くなる…
従って、安定経営を目指す意味でも、「戦わず」、すなわち、和を保った状態を維持することはとても大切です。
3 「勝つ」 ~ 経営の目的は何か?
戦わずして「勝つ」 の 「勝つ」部分を考えてみます。
ビジネスにおける「勝つ」とは何でしょうか?
よきライバルがおればそれと切磋琢磨する意味で「勝つ」を目指すもよいでしょう。
ただ、基本的には、他社との「勝ち負け」を競う意味での「勝つ」が経営の目的ではないはずです。
多くの事業体の場合、「社会、人々に役立つ価値を届けることによって、利益をあげる」ことを目的としているのではないでしょうか。
それを「勝つ」と考えれば、この目的に沿うように考えていくことができます。
そうであれば、取引相手とでも、経営者と従業員とでも、どちらも「勝つ」(winwin)を目指すべきということになります。
同業者同士でもパイの奪い合いではなく、協同してマーケットを拡大して、ともに「勝つ」あり方を探ることができるでしょう。
こういった考え方をすれば、 「戦わず」して「勝つ」 の実現というのは、実に自然で合理的なことと理解されるでしょう。
当事務所では、企業、学校、個人事業主、フリーランスなど、規模にかかわらず、「顧問弁護士」として支援させていただいています。
その考え方も上記のようなところにあります。
もちろん、そのビジネスに対して、悪意を持って攻撃してくる相手には、毅然と望まなければなりませんし、「戦う」と決めて「戦う」必要がある場面もあります。
しかし、基本的には、事業主がかかわる相手(取引先、顧客その他、あらゆる関係者)との関係が良好であることは、その事業主の利益になります。
その場その場だけの「勝ち」という観点ではなく、中長期的視点での「勝ち」(事業の成功)へのビジョンを経営者の方と共有しながら、大切に事を運んでいく、そういう意味でのサポートをするのが、顧問弁護士の仕事だと考えています。
こういったサポーターとしての顧問弁護士に興味がおありでしたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
まずは、それぞれの経営者の方自身が現状課題に思っておられるところから相談に乗らせていただきながら、経営全般の在り方についても話を共有させていただく形でのサポートができる展開を理想と思っております。
神戸むらかみ法律事務所 代表弁護士 村上英樹